症状固定

交通事故で負ってしまったケガの治療をこれ以上続行したとしても、大幅な改善効果を期待することができず、長い目でみるとよくなったり、悪くなったりするようなことがなくなった状態を症状固定といいます。交通事故のケガでよくあるむちうちの場合、医療機関で薬の投与やリハビリを行なうと少しはよい変化があるものの、少し時間が経過するともとに戻りというサイクルができあがっている状態です。なお、これは医学的な意味での症状固定です。損害賠償での症状固定というのは、大幅な改善を期待することができないのに、ダラダラと相手方に負担させるのではなく、治療期間は終わったものとし、残った障害・症状に関しては後遺障害として損害賠償の対象にし、交通事故問題を早く終わらせてしまいましょうというものです。

損害賠償での症状固定前には、事故発生後から障害部分として治療費、休業損害、入院慰謝料などの請求が可能です。これに対し、症状固定後には後遺障害部分として、等級が認定されることにより逸失利益、後遺障害慰謝料の請求を行なうことが可能です。症状固定により、障害部分の請求は不可能となります。なお、症状固定は治療をスタートしてから大体6ヶ月が過ぎた時点で、医師によって診断されることになりますが、この期間の倍以上かかることもあります。

等級認定

後遺障害には全部で16等級があり、1級が後遺障害の程度として一番悪く、損害賠償の限度額が最高額に設定されています。第何等級になるかは、等級認定の結果次第です。

等級認定を受ける方法は、事前認定と被害者請求の2種類があります。事前認定は後遺障害の等級認定手続きを保険会社が代行してくれる方法で、被害者請求は交通事故の被害者が自分で自賠責保険会社に後遺障害の等級認定を申し込む方法です。

事前認定は保険会社に任せておけばいいので、被害者が必要書類を用意する手間がほとんどかかりません。非常に便利ではあるものの、担当するのは加害者側の保険会社であり、より有利な等級が認定されるようにと、担当者が的確な助言をしてくれたり、資料や検査が不十分であるというような問題の指摘を行なったりすることはまずありません。結果、適正な認定を受けることができない可能性があります。

これに対し、被害者請求は自分で必要書類を用意するなど、手続きのための労力は大きくなります。手続き自体も複雑で難しいものですが、弁護士に依頼することで提出する書類の中身の精査を行ない申し込むことにより、適切な認定を受けることができる可能性は高まります。弁護士費用も弁護士費用特約が付帯している保険に加入していれば、費用倒れになってしまう可能性は低いです。

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後遺症と後遺障害

交通事故被害により負傷してしまい、治療後にも機能障害や神経症状が残る場合があります。この残った障害・症状のことを後遺症といいます。交通事故における損害賠償請求では、必ずしも後遺症が請求の対象になるとは限りません。損害賠償請求の対象になるのは、後遺障害の定義に該当する場合です。

後遺障害というのは、交通事故で負ったケガがこの先よくなる見込みのない症状固定の状態になり、その状態が交通事故によるものと医学的に証明でき、働くための能力低下や喪失を伴い、そのレベルが自賠法施行令である等級にあてはまるもののことをいいます。後遺症のうち、この後遺障害にあてはまる条件を満たしているものを等級認定し、障害部分と別に損害賠償請求を行なうことが認められています。

障害部分という言葉が登場しましたが、損害賠償ではこの障害部分と後遺障害部分とにわけて、請求を行なう形になります。障害部分というのは事故発生~症状固定のあいだまでの損害の請求で、治療費、休業損害、入通院慰謝料といったものが含まれます。一方、後遺障害部分というのは、症状固定後の損害の請求で、逸失利益、後遺障害慰謝料などが含まれます。逸失利益は後遺障害があることで労働能力が低下し、先々まで失う利益のことで、後遺障害慰謝料は後遺障害による心身の負担に対する慰謝料です。等級認定を受けることにより、入通院慰謝料とは別に支払いを求めることが可能です。

自賠責保険では賠償の対象は等級が認定された後遺障害に限定されており、どんな後遺症が残っても、等級が認定されなければ賠償の対象にはなりません。後遺症があり、適正な賠償が行なわれるには適正な後遺障害等級認定を受けなければいけません。どういう状態が賠償になるのか、また等級認定はどうやって受けるのかはほかのページにまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください。